たのしい暗喩



二十四時間営業の百貨店

これが未来永劫続くと思うと

ほとほと呆れてしまう

物売りが次の物売りに商品を手渡し

空っぽになる倉庫

次から次へと補充される絵画

額縁はどろどろに溶けてしまった

熱い鉄は幾千の職人に代わる代わる打たれて

ついには誰も見向きもしない都会のネズミになった

カンカンとなる踏切、クルクルと回る回し車

僕は昨日とまったく同じ場所にいて

狭小住宅の扉は純金で造られていた

品のない成金と押し黙る古物商

海が見たいという欲望が、たのしく踊る

雑誌棚は一瞬静まり返ったのち、狂ったように笑いだす

なんて綺麗な静物画だ、それも匿名の

?これは Breakin’? それとも日本舞踊

現像されたイメージは見やすいように

修正なんておてのもの

健康を謳った薬物、理解を助ける進行係

僕ら陰謀論者は全くもって信心深い

ゆっくりと朽ちるメタセコイア

猿人類ape鉄の牢獄のなかを駆ける

辞書は暴れ回る僕らを整列させる

明るい商品棚にはあらゆるものA to Zが今日も並ぶ