海と焔

わたしから悲しみを引き出そうとしてごらんなさい

そこには茫茫たる海が現れるでしょう

涙を、必死に汲み上げ

ようやく芽吹いた新芽に水を丁寧に注ぐ

あれが人間の姿です

もちろん、わたしたちは潮水が植物を枯らしてしまうのを知っています

それでもなお芽吹く焔のような生命いのちのゆらめきに

わたしは全てを賭けています

永遠に待っているのです

たとえ、あらゆるものが灰燼に帰し

一面が灰色の海になろうとも

そこから必ずや再びたちのぼる

小さな焔のゆらめきを